リスティング広告
- 2024/2/9
- 2023/12/29
インハウスでリスティング広告を運用している方が抜けが...
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リスティング広告のマッチタイプとは、広告において自分たちが登録したキーワードと、ユーザーが検索したキーワードとの間の、どの程度の差分まで広告を表示させるかを決める設定です。
マッチタイプを設定することで広告の配信範囲を調整することができ、コンバージョン率向上などにつながります。
本記事では、企業の広告担当様に向けて、リスティング広告のキーワードのマッチタイプを詳しく解説しています。
この記事で書いてあるポイントを意識するだけで、広告での無駄な出費を抑えることが可能になります。
INDEX
リスティング広告のマッチタイプとは、検索キーワードに対して広告掲載の範囲を決定するための設定です。
マッチタイプの種類は下記の通りです。
これらのマッチタイプを使って、ユーザーが検索エンジンで入力したキーワードと広告主が設定したキーワードがどのレベルまで一致した時に広告を表示させるかを決定します。
動画では「絞り込み部分一致」を含む4種類を紹介していますので、「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類をご確認ください。
【関連記事】リスティング広告とは?メリット・デメリットも詳しく解説!
2021年7月から「絞り込み部分一致」のマッチタイプは廃止され「フレーズ一致」に組み込まれるようになりました。
すべての言語で最新版の「フレーズ一致」の動作へと統一されており、指定したキーワードの意味を含む検索内容が広告配信対象になっています。
機能の組み込みは自動的に行われるため、広告主が行わなければならない作業はありません。
「絞り込み部分一致」が「フレーズ一致」に組み込まれるようになった背景には「それぞれの機能が同じ用途で使用されていた」点が挙げられます。
類似した機能であり、使い分けが難しい状態であったため、1つにまとめることで、効率的に広告運用が行えるようになりました。
「絞り込み部分一致」が組み込まれた最新版の「フレーズ一致」は、これまでの「フレーズ一致」の精度を兼ね備えたまま「絞り込み部分一致」のリーチをあわせ持っているため、マッチタイプの使い分けが簡単に行えます。
従来の「フレーズ一致」との変更点は、拡張性が優れたこと、「絞り込み部分一致」よりも少し制限が強められていることです。
例えば、フレーズ一致のキーワードを「おすすめ 雨傘」とした場合「雨天兼用 おすすめ 雨傘」などに一致します。
しかし、語順が異なることで意味が変わってくる検索内容の場合は広告配信されません。
「おすすめ」と「傘」のキーワードの語順が変わり「傘を乾かすときのおすすめの方法」という検索内容があったときに「おすすめの傘」という意味から変わるため広告表示の対象から外れます。
参考サイト:Google広告ヘルプ
リスティング広告におけるマッチタイプは「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類あります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1つ目に紹介するのがリスティング広告におけるキーワード設定の部分一致です。
こちらはリスティング広告のキーワードの設定の中で最も広いキーワードに配信する方法と思って頂ければと思います。
以下、グーグル広告の公式HPの文言です。
指定したキーワードに関連する内容の検索が広告の表示対象となります。これには、キーワードの語句そのものが入っていない検索も含まれます。これにより、より多くのユーザーにウェブサイトをアピールできるほか、多様なキーワードを網羅するのにかかる時間を節約し、成果を上げているキーワードに重点的に投資できます。部分一致は、一致対象範囲が最も広いため、すべてのキーワードにデフォルトで割り当てられるマッチタイプです。つまり、部分一致を使用すると他のマッチタイプ(完全一致、フレーズ一致、除外キーワードなど)を指定する必要がなくなります。
出典:Google広告ヘルプ
上記の文言をかみ砕いて考えてみましょう。
例えば「車 早い」というキーワードで配信をしたいと考えていた場合、部分一致で設定すると、
など、配信されてもお問合わせされないであろうキーワードにも配信してしまいます。
最悪の場合、「ベビーカー 早くたためる」のような考えもつかないキーワードでも配信されます。
よって、配信したいキーワードを設定する際、基本的に部分一致では設定しません。
一方、予想もしないキーワードを見つけてくれるので、思いつかなかったお宝キーワードを発見できる可能性もあります。
予算設定などをうまく使ってお宝キーワードの発掘に使うのも一つの手でしょう。
マッチタイプの初期設定では、部分一致が適用されています。
部分一致では、広範囲のユーザーに配信されるため、意図していないキーワードで広告表示がされたり、商品の購入やサービスの利用、問い合わせをする可能性が低いユーザーからの広告クリックが増えてしまい、想定外の費用がかかる恐れがあります。
ターゲットのニーズから外れないように、検索語句を随時チェックして「除外キーワード」を追加することが重要です。
また、部分一致では、設定したキーワードに関連のあるワードを検索した場合でも、広告配信されます。
細かく表現を変えたキーワードを設定しなくても関連があると判断されれば配信されるので、キーワードを何個も登録する必要がありません。
まだユーザーに知られていない商品やサービスを幅広いターゲットに向けて配信するために活用すると、潜在顧客の獲得が期待できるでしょう。
商品・サービスのことを知らないが、知ることで「欲しい」「試したい」と感じるユーザーをターゲットにすると効果的です。
フレーズ一致は主にリスティング広告の除外キーワード設定の際によく使われます。
フレーズ一致に絞り込み部分一致が組み込まれることになったことで、フレーズ一致の機能が変わっているため、注意が必要です。
まずはグーグル広告の公式HPの文言をご覧ください。
キーワードと同じ意味の内容を含む検索が広告の表示対象になります。文言に差があっても、同じ意味に解釈できる場合は一致と見なされます。また、キーワードよりも具体的な情報を追加した検索も一致します。フレーズ一致を使用すると、広告表示対象となる検索の数は完全一致の場合よりも多く、部分一致の場合よりも少なくなりますが、宣伝する商品やサービスに関する検索結果のみに広告を表示することができます。 フレーズ一致は、キーワードを二重引用符で囲むことによって表します(例: “テニス シューズ”)。以下はフレーズ一致の仕組みを示した例です。
出典:Google広告ヘルプ
絞り込み部分一致、変更前のフレーズ一致、変更後のフレーズ一致の機能を比較して確認していきましょう。
マッチタイプ | 登録キーワード | 車 早い 高速 | 早い 車 高速 |
---|---|---|---|
絞り込み部分一致 | +車 +早い | 〇 | 〇 |
変更前のフレーズ一致 | ”車 早い” | 〇 | ✕ |
変更後のフレーズ一致 | ”車 早い” | 〇 | 〇 |
絞り込み部分一致がフレーズ一致に組み込まれるようになったことで、これまでのフレーズ一致と同じ設定で配信できるマッチタイプはなくなりました。
変更によって、フレーズ一致は絞り込み部分一致と同じような機能を持つマッチタイプになっています。
変更前のフレーズ一致の広告配信条件は、登録キーワードを含む検索クエリであること、登録キーワードと語順が同じ検索クエリであることでした。
変更後のフレーズ一致の広告配信条件は、検索クエリが登録キーワードと語順が違った場合でも、登録キーワードと同じ検索意図であると判断された場合に、広告配信されるようになります。
語順が異なっていても、検索意図が同じであると判断されれば広告配信されるという条件は、絞り込み部分一致の特徴でした。
変更によって絞り込み部分一致がフレーズ一致に含まれるようになったことで、絞り込み部分一致の機能が備わるようになっているのです。
さらに、変更後のフレーズ一致では、登録キーワードと語順が違うことで、検索意図が異なる検索クエリに対しては広告が配信されない仕組みになっています。
この機能によって、検索意図に合ったユーザーに適切に広告が配信されるようになり、より効果的な広告運用が可能となるのです。
フレーズ一致の設定の仕方としては、「”車 安い”」のようにダブルクォーテーションで囲ってあげます。
最後は完全一致です。こちらは何となくイメージもわきやすいのではないでしょうか?
まずは、お馴染みのグーグル広告の公式HPの文言です。
キーワードとまったく同じ意味または意図の検索が、広告の表示対象となります。3つのキーワード マッチタイプの中で、完全一致は広告の表示対象を最も絞り込むことができるものですが、広告表示対象となる検索の数はフレーズ一致と部分一致よりも少なくなります。
出典:Google広告ヘルプ
完全一致は、登録キーワードと完全に一致した検索クエリ、または全く同じ意味となる検索クエリに対して広告が表示されるような仕組みです。
こちらは、予算は少ないが、クリックの単価が高い場合などに予算の効率性を高めるために用いられる場合が多いかと思います。
完全一致の設定の仕方としては、「[車 早い]」のように大かっこで囲ってあげます。
3つのマッチタイプを目的やターゲットに合わせて使い分けて、効果的に活用しましょう。
それぞれのマッチタイプの有効的な使用パターンを紹介します。
部分一致の使用が有効的なパターンは、以下の通りです。
部分一致は、登録キーワードが部分的に一致した場合や、キーワードそのものが入っていなくても関連する内容であると判断されたときに広告配信されるため、PRしたい商品やサービスの認知度が低い場合に有効的な手段となります。
幅広いユーザー層に広告が配信される仕組みであるため、ピンポイントでターゲットを狙いにいくことは困難であり、広告の予算が多くかかる傾向です。
部分一致を有効活用する方法として、自社で予測できていないニーズのあるキーワードの発掘手段とするという手があります。
日々調査を行い、広告のニーズを分析しましょう。
社名や商品・サービスを多くのユーザーに広めたい場合に使用する方法も有効です。
登録キーワードに関連するワードを検索するユーザー層にアピールすることで、興味を持ってもらえ、ゆくゆくは購入や利用に繋がる効果が期待できるでしょう。
フレーズ一致の使用が有効的なパターンは、以下の通りです。
フレーズ一致は、メインキーワードとターゲットが明確に決まっている場合に有効なマッチタイプです。
登録キーワードと同じフレーズを使っているだけでなく、語順が違っても検索意図が同じであると判断されたときには広告が表示される仕組みであるため、ユーザーの検索意図を把握しておく必要があります。
具体的なキーワードが決まっていない場合でも、検索意図から判断して広告表示されるので 広告予算は少なめで効果的な運用が可能です。
完全一致の使用が有効的なパターンは以下の通りです。
すでに社名や商品・サービスの認知度が高い場合に有効的であり、登録キーワードが1つで成り立つときに使用したいマッチタイプです。
コンバージョンしたキーワードであれば、ある程度の成果が見込めます。
検索意図や関連性の低い検索語句が多い場合は、ターゲットのニーズに合わない可能性がでてくるため、広告表示の範囲が絞られている完全一致がおすすめです。
マッチタイプを設定するためには、語句の前後に記号をつける必要があります。
マッチタイプの記号の意味を確認していきましょう。
登録キーワードを「クッキー ギフト」とした場合で考えていきます。
マッチタイプ |
記号 |
概要 |
広告表示の例 |
一致率 |
---|---|---|---|---|
部分一致 |
クッキー ギフト (記号無し) |
登録キーワードと関連性の高い検索語句でも広告表示される |
「クッキー 手作り」 「おすすめ ギフト」 |
低い |
フレーズ一致 |
”クッキー ギフト” |
同じ語順、語順が異なる場合でも同じ意味のときに広告表示される |
「クッキー ギフト おしゃれ」 「美味しい クッキー ギフト」 |
中程度 |
完全一致 |
[クッキー ギフト] |
語句と完全一致、類似のときに広告表示される |
「クッキー ギフト」 「ギフト クッキー」 |
高い |
「部分一致」のマッチタイプを使用すると、設定したキーワードに関連があると判断されたワードに対しても広告配信されるため、ターゲット層やニーズから外れてしまうことがあります。
ターゲット層やニーズから外れてしまうと、商品やサービスに全く興味を示していないユーザーに広告配信されたり、PRしたい商品やサービスが潜在顧客に届かなくなり、無駄な広告費を支払うことになってしまう可能性が高いです。
ターゲットのニーズから外れないためには、「除外キーワード」を設定しましょう。
「除外キーワード」とは、登録したワードが検索された場合は広告表示をしなくてよいという設定ができるものです。
「除外キーワード」を設定するメリットは以下の内容があります。
除外キーワードは日々、広告配信結果を調査・分析してから決定しましょう。
除外キーワードの選び方は大きく分けて2パターンあります。
無駄な費用がかかっているキーワード 検索意図が異なるキーワード 例えば、クリーニング企業が登録キーワードを「シミ取り クリーニング」とした場合で考えてみましょう。
部分一致では「シミ取り シャツ」「ドレス クリーニング」など、一部が一致しているキーワードに対しても広告表示されます。
そこで「シミ取り 顔」「クリーニング やり方」などの検索語句に対して、多くの費用がかかっているが、直接業種に関係のないキーワードであり、コンバージョンは0件になっている場合は、除外キーワードに設定した方が良いと判断できます。
除外キーワードの設定方法は以下の通りです。
Google広告の管理画面の「オーディエンス」から「除外キーワード」を選択
出典:Google広告
Google広告の管理画面の「オーディエンス」から左の欄にある「除外キーワード」を選択して設定していきましょう。
出典:Google広告
「+除外キーワード」を選びます。
出典:Google広告
「除外キーワードを追加または新しいリストを作成」を選択し、追加先を「キャンペーン」にしましょう。
出典:Google広告
「除外キーワード」を入力またはコピペで貼り付けます。
出典:Google広告
「除外キーワード」を入力し終えたら、保存を選択して追加しましょう。
キャンペーン単位で除外キーワードを設定したい場合は、除外キーワードリストを活用しましょう。 キャンペーン単位で設定すると、一括適用が可能となり大変便利です。
出典:Google広告
「除外キーワード」から「除外キーワードリスト」を選択します。
出典:Google広告
「+」マークを選択して「除外キーワードリスト」を追加しましょう。
自社の広告運用にとって適切なマッチタイプを選択すれば、リスティング広告のコストパフォーマンスを高めることが可能になります。
3つのマッチタイプから、適切なマッチタイプを選びましょう。
リスティング広告はデフォルト設定が部分一致となっています。
リスティング広告を初めて扱う場合は、まず部分一致を試して、リーチを増やすところからスタートさせることがおすすめです。
社名や商品・サービスの認知度を高め、ターゲットのニーズに合うキーワードを探しましょう。
部分一致から始めて、フレーズ一致、完全一致と順番に運用していく手法も効果的です。
部分一致を使用する場合は、必ず除外キーワードを設定しましょう。
除外キーワードを設定しなければ、検索意図に全く合わないユーザーからクリックされ、コンバージョンに繋がらない無駄なコストがかかることになります。
部分一致を使用する段階で、予測できる除外キーワードは設定をしておきましょう。
広告配信を始めてから除外すべきキーワードが出てきたら随時追加することをおすすめします。
ニーズを知った上で、商品の購入やサービスの利用をしてもらいたいターゲット層に広告を配信するには、フレーズ一致を活用しましょう。
フレーズ一致を使用すれば、登録キーワードと同じ検索意図のキーワードを検索したユーザーに動画が配信されるため、コンバージョン率を上げる効果が期待できます。
メインとなる社名や商品・サービス名などのキーワードにプラスして、より検索にたどり着きやすくなるキーワードを組み合わせましょう。
数パターンの組み合わせを試して、ニーズを知ることも手段のひとつです。
社名や商品名・サービス名の認知度が向上したら、1つのキーワードだけでも検索されやすくなるため、完全一致を使用して、顕在顧客にアプローチしましょう。
完全一致の広告が配信されるユーザーは、商品やサービスを認知しており、ニーズも理解しているため、コンバージョンに繋がる確率が非常に高いです。
顕在顧客には、すでに商品を購入・サービスを利用したユーザーも含まれるため、完全一致を活用してリピーターも期待できます。
今回の紹介したように、リスティング広告のキーワードの設定方法は全部で3種類あります。
これらのキーワード設定を用途によって使い分けたり、予算を考慮した目的などで使い分けることが重要です。
単ワードの部分一致などで予算の無駄遣いになるような運用方法は避けましょう。
是非、Google広告を始めたばかりの方の参考になれば幸いです。
弊社では、リスティング広告運用の相談に乗っていますので、お気軽に相談ください。
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